誕生

2003年10月8日
10月7日(火)

人工破水後、急に強くなった陣痛。しかも1回1分〜1分30秒ぐらい続き、次の陣痛までの間隔も急に短くなり、呼吸法で痛みを逃すなんてやってられない状態。ベッドの手すりを握ってじっと痛みが過ぎるのを待つのだが、この間息ができないぐらい痛い。

できるだけ痛みに耐えようと思っていたけど、ここで麻酔をうってもらうことにした。

そして麻酔科医の登場 --- 「ああ、これで楽になるぅ〜!」と思ったら、麻酔科医が痛みでゆがむ私の顔の前で自己紹介を始めた、、、(^_^;;。 

一応マニュアルになっているのだろうけど、余裕のない私は「誰だかわかったから(つーかもう誰でもいいから)早く麻酔してくれ〜!」状態。

でも麻酔科医さんはこんな状況慣れてるんだろうね。焦ることなくこれから打っていく麻酔の説明をしながら手際よく作業を進めてくれ、程なく麻酔が効き始めて楽になった。

硬膜外麻酔、不思議。下半身は何も感じなくなったけど動かそうと思えば足は動かせる。一応陣痛の波のモニターをつけたけど、それにあわせてお腹が張るのもわかる。

【午前2:20】
子宮口全開(10cm)

ドクターがやってきて「じゃあイキんでみようか」つーのでイキんでみた。陣痛の波にあわせて思いきり息を吸い込んで止め10秒間イキむ。それを3回繰り返す。だんだんタイミングがわかってきた。子供は膣口まであと2cmのところまで降りてきている。

しかしここからが長かった。
イキめどイキめど子供はこれ以上なかなか下がってこない。いろんなポジションでイキんでみたけど効果なし。自分でもかなり体力を消耗しているのがわかる。

【午前4:50】
この日dutyだったドクター3人が全員様子を見にきた。なんだか3人で私の股間で話し合っている。どうやら子供の頭が恥骨の下にもぐり込んでくれないので出てこれないらしい。

私の体力が低下していること、また子供の心音が下がってきていて危険なので;

1)吸引分娩
2)帝王切開

のどちらかを選択せざるを得ない、と言われた。

ただし1)は本来は恥骨を通過してからやるもので、今の時点でやるのはかなりのリスクを伴う。もし失敗した場合、吸引の反動で子供が今の位置よりも上に上がってしまうので、そしたらその場で帝王切開になるとのこと。

それよりだったら吸引せずに2)帝王切開にしたほうがリスクは全然少ない。

上記のように説明された。ドクターたちは私の前に帝王切開の出産が1つ入っていたらしく、「30分ぐらいかかるからそれまでがんばっててねー(イキんでてねー)。30分後に決めましょう。」といって一旦出て行った。

帝王切開が悪いというのではない。だけど「ここまできて腹を切られてたまるか、ちきしょー!」という思いがムクムク沸きあがってきて、このラスト30分、酸素吸入しながらとにかく必死でイキんだ。

【午前5:20】
1人のドクターが戻ってきて私の様子をチェックしていうことには「あれ!? 恥骨を通過してる!」

こりゃ自然分娩でいける!ってことになり、ドクターは私の股間に座り込み子供キャッチ体制。ナースたちはガチャガチャと小道具や機械を用意し始め、小児科のドクターも部屋にはいってきた(←この小児科医も「ハーイ! ボクはドクター○○。よろしくね」と今まさに子供を出そうとしてる私に向かって自己紹介、、、(^_^;;)

この後はドクターの音頭(?)にあわせてイキむ。ここからはイキむ度に子供の頭がぐぐっと下がって股間から出かかっているのがわかる。

3度目ぐらいのイキみで相方が(←あ、ちなみにずっと立ち会ってました。登場回数少ないけど(笑))「あっ!頭が見えた!」と叫ぶ。

次のイキみで頭が半分ぐらい出、ドクターがすべりを良くするためにオイルをぬってくれた。

そしてとうとう最後のイキみ。自分でも股間から大きな丸いものが排出されようとしているのがわかる。

そしてナースだったのか、ドクターだったのか、相方だったのかわからないけど誰かが「Head is out!」(頭が出た!)と叫んだのが聞こえ、続いて「力抜いてー!」と聞こえたので力を抜いたらズルズルズルッとまるで内蔵が一気に引っ張り出されたような感触が、、、(これが子供の体が引っ張りだされたときだったんだけど。)

【午前5:44】
息子誕生。

この直後のことは映像としては全然覚えてない。思い出すのは間もなく聞こえた「オンギャー」という声との周りにいた人達の会話だけ。

「手も足も指も全部ある!」(多分相方)
「うわー、目あいてるよ」(誰?)
「へその緒切りますか?」(多分ドクターかナースの1人)
「もちろん」(相方)
「どっち似かなー」(誰?)
「ほいっ」(多分小児科医)

間もなく、キレイに洗われてタオルにぐるぐる巻きにされた息子がポンッとLDR台に寝そべる私の横に飛んできた(多分小児科医が「ほいっ」と投げてよこしたんだと思う)。

感動の初対面。

のはずが。

第一印象は;
「、、、、、蓑虫?」(だってタオルでぴっちりぐるぐる巻きだったんだもの。)

次に;
「、、、ミイラかも。」(だってタオルが白くって包帯ぽかったんだもの。)

そこに相方が「He is so beautiful」と言ったのが聞こえ、改めて子供をみて「ああ、この子を産んだんだ」と思ったら涙があふれてきた。





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